移住者の声
大橋友美子さん(山岡町)
移住者プロフィール
大橋友美子(山岡町)
東京→恵那市山岡町
最初、愛知県近辺で、農地兼宅地を探されていたということですが、 どうして恵那に移住することになったんですか?
まずは、インターネットで名古屋近辺で農地兼宅地を探していましたが、そもそも農地を探すのが難しく、愛知県豊田市や、山梨県、長野県にまで範囲を広げ、また実際に現地に足を運んで探しました。そんな中、雪国には馴染みがなかったこともあり、豊田市からの延長で、名古屋市の実家にも行きやすく、遊びに行ったこともあった恵那市にたどり着きました。
不動産屋さんから今の場所を紹介してもらったとき、目の前に広がる景色がとても素敵だったのと、宅地と農地が隣接しているところも気に入ったので、この場所に決めました。
大橋さんの家の庭からの景色。明知鉄道の列車が1時間に2本、ゆっくりと駆け抜けていく。
そもそも農地は農家じゃないと購入できないのですが、恵那市では空き家バンクに登録されている物件に付随する農地なら購入できるということで、たまたまこの土地も恵那市の空き家バンクに登録されていたので購入することができました。その後、この土地に建っていた建物を壊して新しい住宅を建てました。
取り壊しして新築となると費用がかかったのではないですか?
実際、家を壊すのにお金はかかりましたが、農地や建物がついているにもかかわらず、土地が驚くほど安かったので、助かりました。
お店の軒先でに佇む大橋さん。
実際、恵那に住んでみていかがですか?
「山との距離感」が良いですね!
私たち家族にとって、いきなり山の中での暮らしはハードルが高かったので、ほどよく里山の暮らしを楽しめて、街にもそんなに遠くないので、ちょうど良いです。
これまで農業の経験がなく、どうやって農業をはじめられたのですか?
農業一本でやるというよりは、本業として今までの繋がりから頂いているデザインのお仕事がありましたので、兼業農家というか、自給自足プラスαという感じで始めました。
子どもが生まれると育児に追われて、なかなか時間がとれないので、こども園に入ってから、ぼちぼちと始めた感じですね。仕事としては、本業があったのが大きかったです。
農業の傍ら、リモートワークでデザインの仕事を行っている。リモートワークが当たり前になったことも移住しやすさにつながる。
農業自体は、本やYouTubeで学びました。実際はじめてみると、しばらく農地としては使われてなかった土地で始めたこともありすんなりいかないことや、自然災害もあったり、また無農薬でやることの苦労もあり、結構大変でしたね。
今は、ハトムギ、カボチャ、キュウリ、トマト、ヘチマなどを育ててます。ヘチマは「たわし」にしようかなぁと思ってます。ほかにもニンジン、ダイコン、イチジクなど、いろいろと育てています。
あと、もともとこの場所に植わっていた梅や柿も収穫しています。夫は、生物多様性や環境学をやってきていましたし、私自身も、環境問題は考えるテーマだと思っていたので、無農薬にこだわって作っています。
ご主人様はお仕事、なにをされていますか?
夫は、最初、豊田市にある会社に勤めていましたが、環境学をやっていて植物が好きだったこともあり、今は庭師をしています。高齢化で庭の手入れや草刈り等どのご家庭も大変なようで、庭師としてのお仕事も需要はあるようです。
農業にプラスして本屋さんもはじめられたきっかけはなにですか?
もともと、本が好きで地元の名古屋にいるときから本屋さんに足を運んでは、いろんな影響を受けてきました。東京にいるときもあちこちに本屋があったので、仕事帰りによく立ち寄ったりしていました。このあたりは、小さな町の本屋が少ないですよね。文化的なものが少ないのは良さでもあるけど、もっと本に触れられる場所を作りたいと思ったのがきっかけです。今は、自分の好きな本や、知ってもらいたいと思う本を置いています。
おしゃれに飾られている店内の様子。
まだはじめて間もないのですが、「ちいさな庭」のサイトや、インスタ、ショップカードを見たという方が来てくれるので、嬉しいです。
本が並ぶ横には採れたてのお野菜も並んでいる。
恵那の暮らしはいかがですか?
改めて「良いところだなぁ~」って思います。
東京では、仕事に追われていましたが、こちらでは、仕事以外の草刈りや、薪割り、地域の集まりなどで、仕事以外のことで忙しく過ごしています。特に、草刈りの大変さを思い知りました(笑)。地域のみなさんは、とても寛容で子どもの面倒も見てくれますし、東京では公園でも静かにしてくださいと言われてしまいますが、ここには子どもがのびのびと遊べる場所がたくさんあり、こども園も自然と触れ合うことが主になっていて、子育て環境は良いし、自然に囲まれ、自分たちで作った野菜を食べ、生きているという実感があります。
最後に、移住を考えている方にメッセージをお願いします。
そうですね。いきなり知らない土地に移住するのはハードルが高いと思いますので、もしプレ移住みたいなことができる場所があれば、プレで体験してみてもいいかなと思いますし、実際、仕事がないと移住は難しいかなとも思いますので、ある程度、仕事の目途を立てて移住することをおススメしたいです。
<インタビューを終えて>
友美子さん曰く、東京の美術大学に入るときも、会社を辞めたときも、この道なら行けそう!という根拠のない自信があり「えい!」と決断できたそうですが移住するにあたっては、インターネットで情報を集め、気になる地域に足を運び、土地や家を購入するための貯蓄もし、手に職をもった状態で移住して、やってみたかった農業と本屋さん、理想の暮らしを叶えています。
友美子さんのお話から、移住してからの生活を楽しむためにも、しっかりとした準備は大切だなと思いました。
ちなみに今回、取材で「ちいさな庭」にお邪魔し、友美子さんおススメの旅本を読んでみたら、知らない世界が広がってすごく面白かったです。
素敵な景色と本に出会える「ちいさな庭」是非、足を運んでみてください。
恵那市移住定住アンバサダー 西村知穂
移住(人)図鑑
“移住実践者の声”を、更に広く恵那市内に在住の方々、恵那市に移住・定住を希望する方々に、容易にご覧頂けるように、“恵那移住物語/MEET THE NEW ME”として再編集し、冊子化いたしました。
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