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岩村に「まなぶ」施設がオープン!
2025.11.05
恵那市移住定住アンバサダーの西村知穂です。
先月、恵那市岩村町の旧岩村振興事務所が「まなぶ拠点施設」としてリニューアルオープン。
郷土の先人 佐藤一斎の教えと思想を体感できる施設「佐藤一斎學びのひろば」が1階西側に、「恵那市中央図書館 岩村分館」が1階東側に開館。岩村町に誕生した2つの「まなぶ」施設に行ってきました。

「佐藤一斎學びのひろば」は、一斎について知って学べる全国初の施設です。

佐藤一斎は美濃国岩村藩(岩村町)出身の儒学者で、江戸時代後期から幕末にかけて活躍。その教えは、幕末から明治維新の激動期に、坂本龍馬、吉田松陰、西郷隆盛といった志士たちに多大な影響を与えました。一斎が40余年をかけて著した「言志四録」は、学問、思想、人生観にわたる1133条の格言からなり、時代を超えて現代の指導者、政治家をはじめ、多くの人々に読み継がれています。
入り口では、学びの場にふさわしく、藩校の門を模したゲートが来館者を迎えてくれます。今回は特別に「佐藤一斎學びのひろば」の鈴木隆一館長にご案内いただきました。

ちなみに、鈴木館長によると、「佐藤一斎學びのひろば」の「學」という字には、上にいる大人が下にいる子供を、立派な大人へと導くために両手で引き上げるという意味があるとのことで、この字にはかなりこだわったと伺いました。
まずは、「佐藤一斎を感じるシアター」で、一斎の生きた時代にタイムスリップし、その生き方や及ぼした影響を映像で辿ります。

180度のワイドスクリーンに映し出される大迫力の映像がとても鮮やかで、一斎ワールドに吸い込まれていくような臨場感に感動。
スクリーンに一斎の言葉が次々と映し出され、その言葉に込められたメッセージを受け止めながら、胸がいっぱいになりました。
シアターで一斎の思想と世界観にすっかり浸ったあとは「言志四録」の展示コーナーへ。

一斎の一生が描かれた略年表を見てみると、一斎の人生は決して順風満帆ではないことが分かります。
鈴木館長は、いろいろと苦労をしてきたからこそ、人生の道しるべとなるような言葉を残せたのではないかとおっしゃっていました。
また、本物の「言志四録」も展示されていてビックリ。表紙も文字も綺麗に残されていて感激しました。

「言志四録の小径」では、「強くなるために」「学ぶために」「仲間を作るために」「夢を叶えるために」という4つのテーマに沿って「言志四録」の言葉を紹介。

原文とともに、子どもたちにも分かるように口語訳が添えられているため、誰もが自分の心に響く言葉に出会える場所となっています。

鈴木館長曰く、悩んだり、悲しいことがあったり、困ったりしたときには、ぜひここに来て、良い言葉を探してほしいとのこと。
「もし何かあったとき、その言葉がきっと支えになる」とおっしゃっていたのが印象的でした。

面白いのは「対話式コトバ診断ISSAI」のコーナー。
こちらは、対話式AIによって佐藤一斎が現代に蘇り、なんと今の自分の心に寄り添った言葉を示してくれます!

ということで、私も体験してみました♪
一斎と対話できるということでワクワク!
質問に答えると、その答えに基づいて体験者のパーソナリティタイプを示してくれ、その方にふさわしい言志四録の言葉が紹介されます。
一斎曰く、私は創造型(クリエイティブタイプ)だそうです!


原文と解釈文、関連するコトバまで出してくれるので、とても参考になりました。
これからは人に完璧を求めないようにしたいと思います(笑)
「こんな時、一斎ならどんな言葉を返してくれるのか」
気になる方は、このコーナーで一斎に話しかけてみてください。

その他にも、一斎直筆の屏風や掛け軸、儒教の経典「四書五経」などが展示されている資料展示コーナーや、

かるた・絵本・映像・関連書籍などさまざまな資料が集まるライブラリーもあります。

ここには、お子さんが喜びそうな隠れ部屋も設けられていました。

その他、岩村城下町に15ヵ所ある言志四録の碑文が紹介されている「一斎碑文ギャラリー」など、

至るところで一斎の言葉に出会い、そのたびに新たな気づきが得られるので、何度でも足を運びたくなる場所だと思いました。
一斎の関連書籍や実用的なアイテムなどを取り扱うミュージアムショップや、

講座室や特別展示室など、集い学べるスペースも設けられていました。

「静坐の間」は、静かに目を瞑って心を休めたり、寺子屋式の勉強ができる部屋だそうです。
正座しても足が痛くならない椅子があるのは嬉しいですね~(笑)

一斎だけでなく、郷土の先人である下田歌子や三好学の展示もありました。

そしてこちらが、「佐藤一斎學びのひろば」に併設された「恵那市中央図書館 岩村分館」!


まるでカフェのようなお洒落な図書館ですよね~!

一般書や児童書に加え


先人や郷土に関する資料が充実しているのが特徴で、

テーブル席やカウンター席、ソファー席など、くつろぎの空間で読書に浸ることができます。
コーヒーマシンもあって、挽きたてのコーヒーの香りが漂ってくるのがすごく良かったです。

「佐藤一斎學びのひろば」と「恵那市中央図書館岩村分館」のある建物の玄関前には石碑が設置されており、そこには佐藤一斎の言葉「学を為す 故に書を読む」が刻まれています。

これは、本を読むことで学びが深まる、学びを深めるために本を読むという教えだそうです。
ぜひ、岩村町にお越しの際は「佐藤一斎學びのひろば」と「恵那市中央図書館岩村分館」にお立ち寄りいただき、「まなぶ」楽しさを体感してみてはいかがでしょうか?



