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待ってました!東野ちびっこ歌舞伎

2025.09.09

恵那市移住定住アンバサダーの西村知穂です。

先日、恵那市東野にある「東野こども園」で、年長クラス(5歳児)の園児が、歌舞伎のお稽古をすると聞いて、その様子を覗かせていただきました。


恵那市東野は、地歌舞伎が盛んな東濃地方の中でも、かなり古くから地歌舞伎が演じられていた地域で、1853年(嘉永6年)に、歌舞伎小屋「恵東座(えとうざ)」が建てられ、住民唯一の娯楽として地歌舞伎が盛んに上演されていました。
そんな地域の伝統芸能を繋いでいくために行われている歌舞伎のお稽古は大人気。子どもたちは、先輩園児の歌舞伎を見て「かっこいい!」と憧れを持っていたり、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に地歌舞伎を見たりして「自分もやってみたい!」と楽しみにしているそうです。
お稽古のタイトルはその名も「待ってました!東野ちびっこ歌舞伎」。これから稽古を重ね、参観日に「なかよし歌舞伎」としてその成果を発表します。
この日は、夏休み明けだったにもかかわらず、気合いを入れて、浴衣姿で参加していました。みんなよく似合っていますよね~♪


講師は、「東野歌舞伎保存会」の皆さん。


東野歌舞伎保存会は、戦後の一時期、途絶えていた地歌舞伎を復活させたいと、平成3年に、地域の有志で結成されました。
毎年秋に開催している定期公演は、今年は11月23日(日)。この定期公演は、保存会会員が講師となり指導をしている東野小学校歌舞伎クラブの発表の場にもなっています。

↑2024年10月定期公演舞台裏の小学生

 

その他、保存会は、観光協会などの依頼による公演や、地歌舞伎のPR、外国人に向けた伝統芸能の披露などを行っています。

↑2023年2月恵那市伝統芸能大会

↑2025年3月の宮盛座復活公演

↑2024年10月ポーランド舞踊団歓迎会

 

今回は、初めての歌舞伎のお稽古ということで、園児たちに「歌舞伎」について分かりやすく説明したり傘の回し方や、下駄の鳴らし方など実際にやってみせて紹介。傘の柄がくるくる回ると、子どもたちから「きれい~!」の声が。


かつらを被って変身してみせると、今度は「お~~!」っという、驚きの声が出ていました。


そのあとは、実践のお稽古。
今回は、発表会で披露する歌舞伎の有名な演目「白浪五人男」の登場シーンをやってみることになりました。

↑東野歌舞伎保存会の白浪五人男(2025年阿木川ダム桜まつりミニ公演にて)

 

実際に曲も流し、板に2本の木を打ち付けて音を出す「附け打ち」という演出も加えるなど、本番さながらのお稽古でビックリ。


登場する際には、傘のひらき方や持ち方、

歩き方、見得の切り方を教わる子どもたち。


最初は傘を開くのも、なかなかうまくできませんでしたが、保存会の皆さんのお手本を一生懸命真似て、できるように頑張っていました。

ちなみに、この暖簾の絵は、子どもたちが描いたもので、これから名前も入れて完成させていくとのこと。歌舞伎が好きな気持ちが伝わってきますよね~


全員並んだら前を向いて、一人ずつ決め台詞を言っていくのですが、夏休み中にたくさん練習したとのことで、みんな完璧!

「問われて名乗るもおこがましいがぁ~
生まれは~ 東野●● 好きなことは~●● 姓は●● 名は●●と申しますぅ~」

と、歌舞伎口調で立派に自己紹介をしていて、感動!

最後の「申します~」と言いながらとるポーズが決まっていて、思わず「可愛い~」と大きな声を出してしまいました(笑)


稽古が終わったあとは、みんな「楽しかった!カッコよかった!」と大興奮。

これから稽古を重ねて発表会ではどんな演技を見せてくれるのか楽しみになりました。
最後は、みんなで正座をしてお礼のご挨拶をしたり、

保存会の方に教わりながら、自分で浴衣をたたんだり、歌舞伎を通してお作法も学んでいました。
東野歌舞伎保存会の皆さん曰く、こうして子どもたちに歌舞伎を教えることで、大人になったときに思い出し、故郷を感じ、伝統を繋げていってもらえたらとのこと。


東野地域だからこそ、子どものころから触れることができる歌舞伎の文化。
こういった経験が成長に繋がり、一生、忘れることのできないかけがえのない思い出になると思うと、とてもすてきな取り組みだなと思いました。
発表会では、たくさんの掛け声をもらえますように!