移住者の声
若杉佳苗さん(長島町)

移住者プロフィール
若杉佳苗(長島町)
名古屋市→恵那市
恵那市に移住することになったいきさつを教えてください。
もともと山登りが趣味で、名古屋にいたときも週末は山に行っていて、ゆくゆくは山の方に移住したいと漠然と思っていました。そんなとき、たまたま、中野方町で開催されている「なかのほうローカル起業カレッジ(今年からLIFE SHIFT えな)」を見つけました。
講座やワークショップを通して、参加者それぞれが地方での暮らし方や仕事の作り方を考えていくプログラムだったんですが、軽い気持ちで参加したら移住者の方がたくさんいらっしゃって、こんなに多くの方が恵那に移住されているのか、とびっくりしました。
カレッジ後に中野方町の民泊に泊めていただいた朝、薄っすらと雪の積もった里山の風景が美しくて、こんな景色を見ながら暮らしたいなと思いました。何で生計を立てようか…と考えていたところ、カレッジを主催する中野方地域協議会の方に、今の仕事を紹介してもらうことができました。勤め先も見つかったので、あとは思い切りで。転職・引っ越しみたいな感じでやってきました。
今は、長島町にお住まいということですが、山の方に住みたいとおっしゃっていたイメージとはちょっと違う気がしますが。
そうですね。当初は、中野方町内に借りたい物件があったのですが、さまざまな事情ですぐには住むことができず、今は会社が管理する長島町の賃貸の戸建てに、猫一匹と暮らしています。
先日も、友達のお宅でホタルを鑑賞して、里山の風景に感動。ゆくゆくは、私も里山の暮らしが叶う、中野方町に住みたいですね。
移住するにあたって不安はありませんでしたか?
心配していた職が決まったことと、もし何かあれば実家の尾張旭市にもすぐに帰れる距離ということもあり、何とかなるだろうという思いでした。
前の仕事を辞めることについては思い切れましたか?
名古屋では、毎朝混み合った電車で会社に行き、山積みの仕事を片付けるために残業して帰って…という生活が続いていて、ちょうど自分の生活を見直していたときでもありましたので、思い切ることができました。
恵那は時間の流れがゆっくりで、改めて、名古屋にいたときは常に時間に追われていたんだなと感じます。
今の不動産営業という仕事はいかがですか?
住宅に関わる仕事をする中で、基盤となる土地を扱う不動産業には興味がありました。私もそうでしたが、移住したいと思っていても地方では物件が少ないんですよね。家を借りて試しに住んでから移住を決めたいという方もいるので、そういうことの手助けができたらという思いがありました。なので、今は楽しく仕事をさせてもらっています。
ちなみに恵那市でも空き家は増えていますか?
そうですね、増えていると思います。空き家を売るために、例えば家財の片付けや建物登記をしようとすると、費用がかかってしまう。地方では不動産価格や固定資産税が安いこともあり、そのままになってしまっている空き家が多いのだと思います。放置されて建物の傷みが進んでしまった空き家は、恵那市でも山間部に行けば行くほど多いと感じます。
家財の片付けや登記手続きは、恵那市には空き家バンクの補助金制度があるので、ぜひご利用いただければと思います。
そんな中、恵那市でお家を見つけた人の反応はいかがですか?
先日、県外から移住されるお客様をご案内したのですが、周りののどかな風景を大変気に入っていらっしゃいました。どうやってリフォームしようかとか、隣の畑で何を作ろうかなど、家を購入されることで夢が膨らんでいく姿を見たり、物件が売れた売主さんから「ありがとう」と言われたりした時はとてもうれしく、やりがいを感じます。
移住して1年半の若杉さんが、お客様から恵那市の魅力を聞かれたら、どう答えていますか?
人がみんな親切だと答えています。本当に温かい人ばかりですよね~。恵那の人は、優しいです。
あと、とても暮らしやすいです。今住んでいる長島町は、スーパーも10分弱で行くことができます。少しこだわった物は買えないこともありますが、今はインターネットでも買えますし、普段の生活で買い物に困ることはありませんね。
一方で自然が近くにあるのが本当に良くて、季節の移ろいを感じられるようになりました。
ただ、寒いですよ~とお客様にも言っています(笑) 特に私が借りている家は築年数が古い戸建てなので、隙間風があって冬はかなり寒いです。
食べ物は、会社の方や友達からお米や野菜をよくいただきますが、とてもおいしいですね。空気もおいしくて快適に過ごしています。
休日は、何をして過ごされていますか?
天気がいいと、山に行ったりしています。この周辺だと、笠置山や恵那山に登りましたし、中津川市にある富士見台高原は景色が最高でした。夏は北アルプスまで行きますよ~
―北アルプスですか、すごいですね! 私は山城が好きでよく山に行きますが、そこに城がなければ山登りしようとは思わないタイプなので、尊敬します(笑)
登山の魅力はどんなところですか?
何時間もかけて登らないと出会えない素晴らしい景色や、高山植物に癒やされています。
恵那市に移住する上で、覚悟しておくとよいことはありますか?
まず第一に虫ですね! 今の家は古いので、ムカデやゲジゲジが出てきて、ひゃ~ってなります。それと寒さ。あとは、一軒家だと草刈りが大変です。ものすごい勢いで生えますね(笑)
―わかります!私も、恵那市に移住して、草刈りがいちばん大変です。恵那は一家に一台、草刈り機があると言われているくらいなので、草刈りは覚悟しておいたほうがいいと思います。
では、移住を考えている方に、一言メッセージをお願いします。
田舎暮らしは、のんびりしているイメージがあるかもしれませんが、草刈りや家の周りの手入れなど、案外やることがありますね。それと、地方は生活費が安いイメージがありましたが、冬は暖房の灯油代が必要で、ガス代や水道代も都市部よりも高いので、思ったよりも光熱費が高かったりします。
都会と比べたら、不便なことや手間がかかること、お金がかかることも当然ある中で、基本的にいろんなことを自分でできる人、それを楽しめる人が移住に向いているのかなと思います。
最後に、これから恵那での暮らしでやってみたいことはありますか?
そうですね。せっかく庭があるし、いただく野菜がおいしいので、野菜づくりをやってみたいです。
そして、ゆくゆくは大好きな山により近いところに住んでみたいです。そうなるともっと虫が増えるので(笑)虫問題だけ、考えないといけないと思っています。
<インタビューを終えて>
山登りが趣味で、ゆくゆくは山の方に移住したいと思っていた若杉さん。
なかのほうローカル起業カレッジに参加したことをきっかけに、恵那の里山の風景に魅了され、仕事先も決まって恵那市に移住。これまでのキャリアを生かした仕事に就きながら、ゆっくり時間が流れる恵那市で、週末は好きな山登りを楽しむ、理想の暮らしを叶えています。
インタビューするにあたり、若杉さんが、私の場合は、ただ転職して引っ越してきた感じとおっしゃっていましたが、移住して叶える暮らしは人それぞれ。名古屋まで電車で約1時間というアクセスが便利な恵那市への移住は、比較的、気軽に、仕事も住む場所も変えられる良さがあるのではないかと思います。
虫を無視できる(笑)ポジティブな方は、ぜひ、恵那での暮らしを考えてみてはいかがでしょうか?
恵那市移住定住アンバサダー 西村知穂
移住(人)図鑑

“移住実践者の声”を、更に広く恵那市内に在住の方々、恵那市に移住・定住を希望する方々に、容易にご覧頂けるように、“恵那移住物語/MEET THE NEW ME”として再編集し、冊子化いたしました。
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